東北創生に向けて
当センターは、これまでの震災復興のために取り組んできた諸事業の成果を踏まえて、2016年度より新しい東北づくりに向けて「飛躍のための新しい挑戦」に取り組んでいます。
調査研究については、地域社会にインパクトを与えるための調査研究事業として、2016 年度から5年間にわたって東北の水産業(特に水産加工業)のイノベーションに挑戦する 「東北発水産業イノベーションプロジェクト」に取り組んでいます。本プロジェクトの大きな特徴は、実際に地域水産業の変革にとって大きなインパクトを生み出すために 実効性の高い戦略と行動を計画実行し、その効果を継続的に検証していくことです。
人材育成については、これまで取り組んできた「地域イノベーションプロデューサー塾 (RIPS)」のほかに、 地域の金融機関や支援機関等の職員を対象にして、地域企業のイノベーション活動を高度な目利き力と支援力を有して支援できる人材を育成するための 「地域イノベーションアドバイザー塾(RIAS)」を開講しています。RIPSとRIASは、 事業者と支援者が共同でイノベーションのための基礎知識と新事業開発の実習を行いながら、 一緒に発想し討論し気づきを共有するといった、従米とは大きく異なる人材育成の仕組みです。 さらに2017年度からRIPS卒塾者の経営する企業において経営戦略や事業計画の企画および実行を経営者と一体となって遂行できる人材(右腕人材)を育成する「右腕幹部養成講座」を開講しています。
当センターでは、東日本大震災の直後に震災復興研究センタ一を立ち上げ、本学の復興アクションと歩調を合わせながら調査研究とイノベーション人材育成に取り組んできました。
調査研究については、本学およぴ全国から100名を超える研究者を結集して 「地域産業復興調査研究プロジェクト」を結成し、大きな被害を受けた地域産業の復興のための調査研究に取り組み、政策提言と情報発信を行ってきました。 特に、被災地企業を対象とした大規模なアンケート調査を毎年実施し、産業およぴ地域企業の復興状況を把握するとともに、地域の産業社会を再構築するための新たなモデルの構想や政策提言を行ってきました。また、「地域発イノベーション調査研究プロジェクト」を立ち上げ、地域企業のイノベーション事例を発掘し、イノベーションヘの挑戦意識を高めてきました。
人材育成については、地域の中小企業の経営人材を対象に、イノベーターの育成、革新的な新事業の開発および事業化支援を一体的に行う「地域イノベ一ションプロデューサー塾」を開講し、地域企業のイノベーション能力の向上と新 事業創出および扉用創出に取り組んできました。
地域産業復興調査研究プロジェクト
調査研究の成果を書籍として刊行し、
震災復興の現状と提言を発信しました。
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第1巻東日本大震災復興研究 Ⅰ河北新報出版センター(2012年3月)
東日本大震災からの地域経済復興への提言
被災地の大学として何を学び、伝え、創るのか
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第2巻東日本大震災復興研究 Ⅱ河北新報出版センター(2013年3月)
東北地域の産業・社会の復興と再生への提言
復興過程の現実に向き合い、地域の可能性を探る
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第3巻東日本大震災復興研究 Ⅲ河北新報出版センター(2014年3月)
震災復興政策の検証と新産業創出への提言
広域的かつ多様な課題を見据えながら「新たな地域モデル」を目指す
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第4巻東日本大震災復興研究 Ⅳ南北社(2015年3月)
新しいフェーズを迎える東北復興への提言
「創造的復興」は果たせるか、4年目のレビュー
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第5巻東日本大震災復興研究 Ⅴ南北社(2016年3月)
震災復興は東北をどう変えたか
震災前の構造的問題、震災から5年目の課題、これからの東北の新たな可能性
地域発イノベーション調査研究プロジェクト
調査研究の成果を書籍として刊行し、
イノベーションヘの挑戦意欲の向上をはかりました。
設立の目的
地域イノベーション研究センターは、経済学研究科内外の知的能力を組織的に結集して教育研究活動を行うことによって、 東北地域のイノベ一 ション能力の向上を図り、東北地域の産業振興と経済発展に貢献するために必要な諸事業の企画、 実施および調整を行うことを目的とします。また、センターは本学および地域の企業、自治体、NPO等の実務家たちと交流する場を提供することによって、 地域の現実について強い関心と理解をもち地城発展への貢献意欲と能力をもつ人材を育成します。
事業内容
- ・地域イノベーションに関する研究の推進
- ・地域イノベーションに関する教育の推進
- ・地域イノベーションを牽引する指導者的人材[地域プロデューサー]の育成
- ・地域イノベーションに関する情報交流の推進
- ・委託研究、寄附講座、共同研究の受入