5期 佐々木航さん (株)航和 【岩手県雫石町】
卒塾後に立ち上げた新事業には
RIPSでの学び、すべてが活きています。
RIPSに入ったきっかけは何ですか?
佐々木航さん(以下佐々木):新聞にRIPSの広告が入っていたのを見て、事前セミナーに参加しました。経営者層をターゲットにしているというのがおもしろいと思って。それから、東北大学で、大学の先生の授業を受けられるということにも、心が動きました。株式会社航和は2007年に母と一緒に立ち上げたのですが、2017年に母が鬼籍に入りまして…。いざ一人で経営を、となった時に、もう一度どこかで勉強したいと思ったんです。
実際に勉強してみてどうでしたか。
佐々木:予想通り、すごくおもしろかったです!RIPSの同期生はもちろん、RIASの金融機関の人たちも、ふだん会わないような人ばかりで。講義では、毎回座学の後にグループディスカッションをするのですが、異業種の人たちとのワークはかなり刺激になりました。必ず、自分が想定していない意見が出てくるんです。そのたびに関心しましたし、さらにアイディアを深めることができました。
印象に残っている事業は何ですか?
佐々木:藤本雅彦先生の組織論は今でも実践しています。株式会社航和が行っている介護事業は、スタッフが気持ちよく働けることが第一です。藤本先生の授業で学んだマネジメントや組織作りの手法は、日々の業務にすぐに活かすことができました。会社の序列を無理に撤廃しようとせず、スタッフの課題をヒアリングした上でマネジメントする方法は、実際の会社経営でもポジティブに動いていると感じています。
最終プレゼンはどうでしたか?
佐々木:プレゼンに苦労しました。どういう言葉選びをすれば人に伝わるのか、どう言えば相手に印象付けることができるのか、すごく考えました。それまでは、人に説明したり、プレゼンしたりすることがほとんどなかったので、RIPSが境だったなと思います。当時と比べれば、今はかなり人に話すことへの意識が変わりました。
RIPSでの経験は、今の事業に活きていますか?
佐々木:めちゃくちゃ活きてます!藤本先生の組織論もそうですが、最終プレゼンに向けた事業計画づくりで学んだことは、2019年から始めた新事業にそのまま活かしています。
新事業について、詳しく教えていただけますか?
佐々木:介護の課題をテクノロジーで解決するというミッションを掲げ、株式会社keeperという会社を立ち上げました。これから、少子高齢社会で働き手はどんどん減っていきます。今現在も人手不足が叫ばれている介護業界にとって、働き方の改革は避けて通れない課題です。そこで、テクノロジーの力を使って、人にかかる業務の軽減をしようと考えました。
実際に行う事業は3つです。1つは、Uberのようなマッチングサービスをつくり、高齢者の移動課題を解決すること。2つ目は、クラウドを活用した介護の現場のペーパーレス化。3つ目は、IOTを活用した介護士の業務改善です。
わたしは、株式会社keeperの事業を通して、世界が変わることを目指しています。IOT化を通して、介護業界の離職率を下げ、働きたくなる業界をつくりたいと考えています。
…こういう事業計画を考えるとき、あらゆるところにRIPSでの学びが活きてくるんですよね。組織論もデザイン思考もプレゼンの技術もそう。RIPSで学んだことを具現化したのが、株式会社keeperの事業だと思っています。
後輩にメッセージをお願いいたします。
佐々木:RIPSで出会った人たちは、今でも親身に相談にのってくれます。そういう人たちに出会える機会は、なかなかありません。利害関係なくサポートしてくれる人って、そんなに見つかるもんじゃありませんよね。悩んでいるならぜひ、入塾してみてください。良い出会いができる環境を自分でつくることができますよ。
沼田佐和子
株式会社よごと企画 代表取締役
コピーライター宮城県(名取市閖上)出身。早稲田大学卒業。東北大学地域イノベーションプロデュサー塾(RIPS)7期生。仙台市の編集プロダクションで旅行情報誌「るるぶ情報版」などで観光やグルメのライティングに携わる。広告制作会社執行役員を経て、2019年10月株式会社よごと企画設立。東日本大震災の広報事業のプランニング等のほか、広報・プロモーションに関するコンサルティング、ブランディングに携わる。
2016年~2021年 宮城県発行『復興情報誌NOW IS.』(月刊)創刊・企画・編集・執筆 2016年~現在 仙台市立荒巻小学校 起業家育成・総合的な学習オブザーバー 2017年~現在 仙台デザイン専門学校 コピーライティング講師 2020年~現在 仙台市産業振興事業団 ビジネス開発ディレクター